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ごばいし

1月のいちばん寒いころの早朝、

「つくるひとつかうひと」の「つくるひと」宮沢美ち子さんの取材で、朝の散歩に同行しました。

ちょうど取材したころは真冬で、そんなにひろいものもない時季だったのですが、

「ここらへんにいつも落ちてるの、ほらほら見て!」と、

宮沢さんが拾って見せてくれたのは「五倍子(ごばいし)」。

初めて聞いた名前だったのですが、木の実か何かなのかと思えば、

これは「ヌルデ」の木に木の葉の付け根にできる虫こぶということ。

虫こぶというのもこれまた初めて知ったのですが、ヌルデシロアブラムシが寄生して、

その刺激によって葉上に生成されたこぶ状のふくらみなのだとか。

そしてこの中にタンニンが含まれているので、その成分で布が染まるのだそうです。

いつもだったら何気なく通り過ぎてしまう道、景色。

宮沢さんの話を聞きながらだと、使えるもの大事なものがたくさんあるように見えてきました。

染めの材料としてだけでなく、

織物にしたり、食べたり、飾ったり、いろんな形で植物と仲良くしている宮沢さん。

買わなくたって材料は身の回りにたくさんある。植物って面白い。

そんなことを改めて気づかされた日でした。

(編集部 池田)

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