キッチンとカウンターと細工場と…
2号の食卓のページで紹介した西丸家はほんとにユニークな造りで、
取材中は「へえ~」という驚きの連続でした。
お店だった頃の名残がそのままの自宅兼工房は、カウンターが何よりも特徴的。
その周囲には数多く並ぶ様々な作家さんの器、リアルな虫マグネットやら、
なぜだか気になる番付表、だるま…
「このカウンター、仕事中にご飯を食べる時なんか都合がいいんですよ」
というのは太郎さん。
そう、西丸家ではキッチン、カウンターの向かいにある戸を開けばそこが二人の細工場。
なるほど。
粘土などで服が汚れていても、その作業着のまま気兼ねなくカウンターで食事をとる姿が、
いかにも陶芸家らしい日常のように感じました。
ひとりがロクロを使うときはもうひとりは絵付け…
などとなるべくひとつのロクロをうまくシェアできるように作業するというおふたり。
夫婦で、それぞれ独立した陶芸家で、同じ場所で作陶をする。
そして一緒にご飯を食べる。
お互いの仕事には口を出さないというのが決まり事、もしくは、自然とそうなったのでしょうか。
陶芸の窯があるキッチンとお店そのままのカウンターと細工場。
そして人が集まれば食卓を囲む小上がりのある家。
自由で型にはまらない、益子暮らしのスタイルのひとつだなあ、とつくづく思う取材でした。